総悲観時には絶望的な下げが発生することがありますが、そのあとのリバも大きくかなり美味しい思いができる位置でもあります。
いわゆるセリングクライマックスです。
そこで切った人は大損すが、逆にそこで買えた人は今ではほとんどプラスで、株は買うタイミングが全てだと言っても過言ではありません。
「セリクラで買えば絶対勝てるんじゃね?」
ってツイートしてる人がいたので調べてみたところ、面白い分析している記事を見つけました。
銘柄類似度グラフの時系列構造変化に基づく株価予測
結構面白かったので今日はこの記事を解説してみたいと思います。
1 セリングクライマックスに買えば勝てるのか
「セリクラ」とは「投資家心理が過度に悲観に傾いて、不確実性が高い銘柄だけではなく、ファンダメンタルズのしっかりした優良銘柄にも売り注文が浴びせられ、相場が陰の極みとなる状態」を言います。
理論値は無視されて、投資家のメンタルも壊れたいわゆる総悲観状態のことですね。
この「総悲観状態で買えば、儲かるのでは?」と言う記事です。
結論から言うと儲かります。
1987年から2014年までの 28 年間のデータを用いて検証したようです。
TOPIXで検証しているので個別銘柄となると話は少し違うかもしれませんが、新興も下落には追随するので活用はできるでしょう。
当然次に湧く疑問は「いつがセリクラか」です。
セリクラを見抜くにはどうするんでしょうか。
2 どうやってセリクラを見抜くのか
「セリング・クライマックス」を客観的に示す指標がなく、投資家は事後的に認識するのみです。
「あーあれがセリクラだったかー」ってあとでわかるってことですね。
これだと分析にならないので、定量的に表現する手法を取り入れました。
約4000ある上場銘柄のうち2つの銘柄の組み合わせは約800万通りですが、下落局面において類似する動きを見せる銘柄数の割合をセリクラの指標に使用しました。
これを枝密度と呼びます。
つまり枝密度が0.1だと、80万通りの組み合わせで類似の動きを見せていることになります。
これが0.2を越える時と言うのは滅多になく、ブラックマンデーでも0.226です。
東日本大震災が0.592ですが、とんでもない下落だったと言うことですね。
つまり、銘柄を適当に2銘柄抽出して、同じような下落率を示す銘柄の数が2割に近くなった時にセリクラの可能性が高い、と言えるんじゃないでしょうか。
3 セリクラ時の買い方
2つの戦略を検証しています。
戦略Aは枝密度のピークによってピンポイントでTOPIXの大底を推定することで、最安値の時のみ購入しようとする作戦です。
戦略Bは、ドル・コスト平均法と呼ばれるもので、枝密度のピークが TOPIXの大底を数日の誤差で外すこともあるとの前提で、そのリスクを回避するために、ピーク前後の一定期間に定額で TOPIXを購入し続ける作戦です。
リターンとしては「戦略Bの方が高い」です。
ただし、相場のタブーである落ちるナイフを掴みにいっているため、 リスクは高く変動幅が大きいので、セリクラが起こるような状態で買い迎えるのか、を考えるとなかなか難しいかもしれません。
4 終わりに
歴史的にセリクラで買うと儲かるようですが、セリクラが起こるような時に買うのはかなり怖いです。
いかに冷静に相場を見れるかと言うメンタルトレーニングも必要になりそうですね。
とりあえず枝密度出す関数誰か組んでください・・・
おしまい。
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