あなたが長い時間座って働いていると、あるいはストレスがたまると、肩こりになることはありませんか?
ここで重要なのは、肩こりの原因は実は肩だけにあるわけではないということです。
意外にも、背中の真ん中を走る一対の筋肉、脊柱起立筋の緊張が大きく関わっています。
脊柱起立筋は、腰の底から首の後ろまで続く筋肉で、身体を支える役割があります。しかし、長時間の座った姿勢やストレスにより緊張が高まると、脊柱起立筋が硬直してしまい、それが肩こりの原因となることが多いのです。そこで今回は、あまり知られていないこの脊柱起立筋のストレッチを紹介します。
それでは、脊柱起立筋をストレッチする方法を見てみましょう。
鋤(すき)のポーズ
鋤のポーズ(ハラサナ)は、ヨガのポーズの一つであり、特に脊柱起立筋を伸ばすのに効果的です。しかし、やや難易度が高いため、初心者の方は注意して行ってください。
- まず、背中を床につけ、両腕を体の両側に伸ばし、手のひらを床に向けて置いて仰向けになります。
- 息を吸いながら、両足を上に持ち上げて90度の角度になるまで引き上げます。この時、膝は伸ばしたままにしましょう。
- 息を吐きながら、足を頭の方向に下ろし、つま先を床につけます。足が床に触れない場合は無理に下げないように注意しましょう。
- このポーズを5~15秒間キープしましょう。深い呼吸を続けながらリラックスします。
- 終わる時は、ゆっくりと元の仰向けの姿勢に戻ります。
鋤のポーズは、肩こりや背中のこりを和らげるだけでなく、脊柱の柔軟性を高め、筋力を強化します。しかし、初めて行う方や体が硬い方は、無理に深いポーズを取らないように注意し、自分の身体の限界を尊重しましょう。
これができない人はより優しいストレッチをご紹介します。
膝抱え伸ばしポーズ
このポーズは鋤のポーズの簡易版とも言えます。初心者でも簡単に実施でき、脊柱起立筋や僧帽筋に対するストレッチ効果も期待できます。
- まず、床に背中をつけて仰向けになり、両足を床につけます。
- 息を吸いながら、右膝を胸に向かって引き寄せます。この時、右の手首を両手で包み込むように抱え込みます。
- 息を吐きながら、右の膝をさらに胸に引き寄せ、できるだけ体を丸めます。この時、頭は床につけたままにしましょう。
- このポーズを5~10秒キープし、深い呼吸を続けます。
- ゆっくりと右の足を床に戻し、同じ手順を左の足で行います。
このポーズは比較的簡単に取ることができ、長時間の座った作業などで固まった脊柱起立筋をやさしく伸ばすことができます。ただし、膝や腰に問題がある方は、無理に深いポーズを取らないようにしましょう。
肩こりって肩揉めばいいんじゃないの?
肩こりについて言えば、実は僧帽筋も重要な役割を果たしています。僧帽筋は首から肩にかけての広い範囲をカバーし、首や肩の動きを支える筋肉です。長時間のデスクワークやストレス、無理な姿勢などでこの筋肉が過度に緊張したり、硬くなったりすると、それが肩こりの原因となります。
それゆえに、肩をもむことで一時的に筋肉の緊張を和らげることは可能です。しかし、その根本的な原因が解消されない限り、その効果は一時的であり、肩こりは再び現れることでしょう。この場合、脊柱起立筋だけでなく僧帽筋を含む全体的な姿勢の改善や、筋肉の柔軟性を高めるストレッチが必要となるのです。
肩こりは、僧帽筋や脊柱起立筋など、体のさまざまな部位の筋肉のバランスと関連しているため、全体的な視点からアプローチすることが重要です。定期的なストレッチは、筋肉の健康を保つだけでなく、肩こりや他の不快な症状の予防に役立つでしょう。
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それでは次回もお楽しみに!

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